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人間の心と普遍の美しさに関心を持つ人事・キャリアコンサルのつぶやき

生産性向上を促す自己充実

 

ーーー 雇用されて働く日本人のうち、「積極的で充実した精神状態にはない人が全体の69%」

(Towers Watson, 2016)

 

この調査結果は世界平均(46%)と対比してよく語られていますが、平均より云々でなく、約半数がこの状態ってまずくない?と思う訳です。

 

様々な生産性向上のための取り組み(例えば、働き方改革や業務効率化)が、これを解決するのではと期待されているようですが、自己を充実させることも併せて実施することが重要だと私は思うのです。

 

自分軸に合ったものを選ぶ

自分は何に心を動かされるのか?自分はどんなときに嬉しいのか?自分はどんなときに落ち込むのか?自分は何を大切にしているのか?

 

自分自身の感情や価値観に目を向けることは、自分自身を理解することに繋がります。

それは結果として、自分を充実させるための手段に気づく手助けをしてくれます。

自分自身が充実する手段がわかれば、更に心が豊かになりますし、自分をより活かすことが可能になるのです。

 

自己を充実させられれば、プライドが保たれやすい

何のために生きるのだろうとよく考えますが、エゴな見方では、それは自分の存在意義を認識する(プライドを保つ)ことがその一つだと考えます。

プライドは、⑴自尊心を持つこと、⑵承認されることによって保たれると言われます。

 

自己を充実させられれば、自分に自信や誇りを持ちやすい情動となるため、⑴が満たしやすいと考えます。

⑵は他者依存になりやすいので、ほどほどに求めることをお勧めしますが、自己充実している人には賞賛が集まりやすいので、自ずと得られるかもしれません。

 

個人へのアプローチで生産性向上を

色々考察しましたが、私が実施しているキャリアコンサルティングの経験からも、自己を充実させることができれば、心の豊かさや自分の可能性をより切り拓く気持ちが強くなると考えます。

69%の日本人がより良い精神状態になれば、生産性向上に必ず寄与すると思うのです。

 

 

あなたが持つ「基本前提」が、あなたを苦しめているかもしれない

私たちの行動を決めるのは、信念や価値観です。じゃあ、個人の信念や価値観は、何によって作られているのでしょう?

 

それは、自分自身の経験やこれまで触れてきた情報等、色々あります。

組織文化理論(Edgar Schein)を個人に応用するのであれば、文化の基本前提も私たちの信念や価値観を決めているとも考えられます。

言い換えれば、世の中に蔓延っている「当然すぎて気づかれない前提」です。固定概念とも言い換えられるかもしれないです。

 

例えば、仕事中はビジネススーツを着るべきだ。映画館では、静かにするべきだ。女性は、好かれる存在であるべきだ・・・

 

そんな前提を私たちは、日常にある物体(建物、ロゴ、ポスター、製品、芸術)、言語表現(神話、メタファー)、活動(作法、コミュニケーションパターン、娯楽)から、自然と習得していきます。

 

そのような前提が行動(思考パターン)を作り上げているからこそ、異文化のダイバーシティ実現は難しいのです。国が違えば、蔓延る物体や言語表現、活動がかなり異なるからです。

 

そのような前提が作り上げた価値観を大事にするのもとても良いことです。同時に、もしかしたら他の価値観を持つと、もっと自分が楽になるかもしれないです。

日々何かに縛られていて、自由になれない感覚があるなら、まずは「基本前提」に注意を払ってみましょう。

 

基本前提に気づくコツは、他の環境に身を置く、普段話さない人と話す等、普段取らない行動をしてみることです。

そこで「違和感」を感じたら、自分とは異なる前提に気づいたサインの可能性が高いです。

 

 

Hatch組織論 -3つのパースペクティブ―

Hatch組織論 -3つのパースペクティブ―

 

 

できない理由よりも、実現するための手段を探す(目標達成までのプロセス)

 ――――「何度もオーディションに落ちたし、周りは私よりキレイな人ばかり。私には、女優なんて向いていない」

先日、今年度アカデミー賞で6部門受賞を決めたミュージカル映画「La La Land」を観に行きました。ハリウッド女優を目指す主人公ミアと、ジャズを愛でる自分の店を開く夢を持つセブの物語で、人の成長の過程やその時々の細かい感情が散りばめられている点、かなり面白い作品でした。

ストーリーの途中でミアがこぼしたのは、冒頭のセリフ。
主人公は、目指すものは明確(ハイウッド女優)でしたが、何度もオーディションに落選した結果、このような発言(思考)に繋がってしまいました。

 

目標を持ち、その達成に繋がるチャンスを確実に掴んでいく 

普段キャリアコンサルティングをしている経験上、これほど目指すものが明確な方はかなり少ないです。(スポーツ選手などは、このタイプが多いですが)

ですが、自分らしく生きるために大切な判断軸が何かを知っておくことは、キャリアを形成する上で非常に大切ですし(Edgar Henry Scheinの「キャリア・アンカー」の概念)、その判断軸を満たすための短期的な目標をもっておくことで、より自律的なキャリアが歩めます。

その上で、ミアの経験は私たちに大切なことを教えてくれます。(ネタバレになっちゃうので、ストーリーは割愛しますね)

 

「(目標達成に繋がる)チャンスを掴むためには、自分は何者であるか(何をしたいか、何を実現させたいか)を周囲に伝え続けるしかない」ということ。

これでも目標達成までの道のりがまだ遠いと感じるのであれば、①目標が明確であるか、②目標達成までの手段が他にないか(適当かどうか)、③自己研磨が正しくできているか、を見直してみる

そして、出来ない理由を見つけ出して、やらない理由を明確にするくらいであれば、上記①~③を見直したり、実行したりすることに時間を費やす。


①~③までについて、簡単に説明しますね。

①: 自分は何者であるか(何をしたいか、何を実現させたいか)は、企業でいうミッション(使命)と同様です。これに共感して人は集まります。ミッションに共感する人が集まると、その人たちの価値観は自ずと近いものになるため、強固な関係が築けます。そして、お互い助け合いながら目標達成へのスピードを高めることができます。
ですので、①が明確であればあるほど、目標達成に効果的なのです。 

②:目標達成までの手段も幅広く検討することをお勧めします。 固定概念に捉われた手段だけではなく、他の場や会社、コミュニティ等でも、目標達成はできないか、他に挑戦すべき機会はないか、等、積極的に見ていく必要があります。ミアも、一般的な映画のオーディションではなく、自作自演の演劇を自腹で開き、観客を集めることで、次なるチャンスを掴もうとしました。

③:勿論、自己研磨を怠ってはいけません。目標達成に向けて高めるべきスキルや、得るべき知識を貪欲に吸収する姿勢は大切です。そして、スキルや知識だけを得て頭でっかちになるだけではなく、きちんとアウトプットすることで、成長スピードは格段に速まります。


「結果がでないから、向いていない」と決めつける前に
 

ミアは①~③をすべてやっていましたが、暫く結果が伴わず、もう少しで出口だったのに道を引き返そうとしてしまいました。できない理由(やらない理由)をぶつぶつ言いながらです。

 

すぐ効果がでないからといって、自分のしたいこと(実現したい)ことを諦めてはいけない。失敗しても、こんなことは自分がやらなくても(他の人の方が向いている)・・・とか、自分は資質がないかも・・・という逃げに入るのは正直勿体ないです。

「○○したい」という気持ちを大切にし、その目標を明確にすることで周囲に伝え、効果的な目標達成手段や自己研磨の方法を幅広く検討し、実践しましょう。

 

「○○したい」という気持ちが少しでもあり、その目標達成手段や自己研磨の方法が不明瞭な方や、そもそも自分らしく生きるために大切な判断軸って何だっけ、と悩まれている方の力に私はなりたいと思っています。

gaga.ne.jp

セルフイノベーションのための感情観察

先日、森美術館主催のトークセッション「世界を俯瞰する絵画、日常を観察する絵画」に参加しました。

N・S・ハルシャ展の開催に伴ったイベントで、そこでは個性的なアートを作り上げるまでのプロセスを学ぶことができました。

N・S・ハルシャは、日常の出来事から宇宙空間まで、細部と全体像の間で視点を往来させながら、この世界を観察しています。そこから生まれる作品には、インドの伝統美術、グローバル企業のインド進出、国際的な現代アート界から、動植物の世界、伊藤若冲葛飾北斎など日本の絵師までが参照され、時代も場所も超越して多方向に繋がっています。
多様な表現のなかで中心になるのは「絵画」。本トークセッションでは、世界を俯瞰する絵画、日常を観察する絵画を糸口に、N・S・ハルシャ、山下裕二会田誠が、本展キュレーターとともに議論します。

 

日頃感じるものが個性の源泉

まず、アーティストは体験・観察を怠りません。

そして、出会(合)ったものに対して、発生した喜び・違和感・反発・・・などを、きちんと受け止めます。この感情を流さないことがポイントです。

この感情をベースに、作品が出来上がります。色んな手段を用いて、感情を抱いた対象やその感情自体を形にしていくのです。(この手段は、ビジネスにおいて巷で言う「デザインシンキング」のようなものなので、本稿では割愛します)

 

セルフイノベーションも感情から

「 日々、どんな時にどんな感情を抱いているか?」をまず把握することが、あなたの個性を理解するベースとなります。

感情は、これまでの経験の積み重ねによる思考の癖から発生したり、自分が心底求めているものを反映する先になったりします。

思考の癖については、時にネガティヴな作用となるので、それがあまりにも過剰な場合は思考の癖自体を矯正していく必要があります。

心底求めているものについては、意図的にそれが多い環境に身を置いたり、体験をしたり等することで、幸福度が格段に向上します。

 

こうやって、セルフイノベーションをしていくことで個性を適切な形で発揮することができるのです。

 

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✴︎多くの気づきを頂きました。心から感謝致します✴︎

N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅 | 森美術館

 

自信をつける休日の過ごし方

活躍している人は、“自己効力感(=自信)”を高められるような休日の過ごし方を実践していると、ここ最近強く実感します。

 

例えば、ある人は、休日にアメリカの政治家であるラムズフェルドの自伝を読み、ピッグス湾事件について取り上げている映画「グッドシェパード」を観る ―――

この人は政府・CIA等、世の中を取り巻く権力とその大きな動きについて関心があり、実際に仕事の中でも大きな決断をしながら、大きなムーブメントを起こすことに尽力しています。

堅苦しくみえる休日でも、この人はかなりの充実感を覚え、気持ちが高揚し、次のステップに向かって頑張ろうと思えるそうです。

 

私はこれこそが、自己効力感を高める過ごし方であると思います。

 

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ところで、この自己効力感という言葉。
カナダ人心理学者のBandura(1977)によれば、「ある事態に対処するために必要な行動をうまくやり遂げることができるかどうか、についての本人の判断である」と定義しています。

 

自己効力感は、動機づけ(モチベーション向上)の重要な要素なので、目標達成する上では是非高めていきたいものです。

Banduraが論述している自己効力感の高め方には4種類あります。

 

  1. 直接体験:自分が仕事で成功を実際に体験すること
  2. 代理体験:他者の(成功)体験を観察することで、自分も同じ行動ができるかどうかを知ること
  3. 言語的説得:他者からの説得や教示であり、人から「君ならできる!」等と言われること
  4. 情動的喚起:緊張や不安を経験する際に感じる身体的・生理的な興奮を経験すること 

(1)が最も効果があるものなので、それについてはまた今度執筆したいと思いますが、前述したある人の休日の過ごし方は、まさに(2)に該当します。

 

自分が携わりたい領域で実際に活躍している人の、(紆余曲折を経た上での)成功体験を読んだり、観たりすることは、「自分もそういうことができるはず!」という自信に繋がるということです。

 

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100年人生をどう生きるかについて論じられている「LIFE SHIFT」にも、“余暇は、Re-Creationの時間である”と記されています。

 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

Re-Creationとは、新しいステージに向かって自分を再創造するための投資期間。
私は、この考えにすごく共感します。


私がキャリアコンサルティングで見てきた、日々頑張っている方は、成功体験を日々積み重ねていることは勿論のこと、新しいステージに向かって自己投資をしています。 

 

自己効力感を高める活動も、まさに自己をRe-Createする方法の1つなのです。

人事評価で自己成長を加速させる方法

 人事評価の結果が、自分の成長ツールだと思ってる人って実際どのくらいいるのでしょうか。

 

企業によってだとは思いますが、とても役に立つと思っている人はあまり多くないと思います。

あくまでも「人材査定」をするツールであると捉えられているのです。

 

近年、GoogleAdobe、GEなどが、年初に設定した目標の達成度や1年の成果を年末に評価するスタイル(=年次評価)を廃止しつつあります。

 

 環境変化も著しく、1年先の目標設定では時間軸が長すぎる。社員のパフォーマンスを早期に高め、業績向上に確実に繋げていきたい。

そんな意図から、1週間に1回程度でのリアルタイムなフィードバック(1on1)が主流となりつつあります。

 

これ自体は自分の成長を早める良い手段だと思っています。私の所属する会社でもやってます。

ですが、やっているからこそ、そこには天井もあるってことがわかってきました。

 

それは、「質の高いフィードバックを貰えない」ってこと。

 

なぜ、こうなってしまうのか?

その問いに対し、個人的に導き出した答えは、私たちのキャリアに対する考え方に通ずる点があります。

 

  1. 個人の目指す姿(キャリアの目標)が明確で、且つ納得性のあるものになっていない
  2. 評価者(上司)が自身の業務経験のベストプラクティスを形式知化できてない→だからこそ、フィードバックで伝える内容が薄い

 

今回は、1. に焦点をあててみます。

 

上司は基本的に目指す姿と現状の差があるかどうか、そこを満たすためにはどうしたら良いかに対して、フィードバックをくれます。

 

つまり、目指す姿のレベルを引き上げていくと、現状とのギャップが広がります。

ギャップがあれば、そこをどう埋めていくかに対する経験者のアドバイスがかなり活かされるのです。

 

一方、その目指す姿のレベルがそこそこのものだとどうでしょうか。

現状との差がそこまで開かず、アドバイスの内容も限定的。せっかくのフィードバックの場なのに勿体無いです。

 

今の日本社会では、会社の方向性との整合性を持った上で目標を設定しないといけないので、自由に目指す姿を描けないという事実はあると思います。

 

でも、まずは自分の目指す姿は何なのかを自由に描き、会社の中でそれが実現できる場所や機会はあるかを検討せずにして、不満を持つのは時期尚早。

 

人事面でのトレンドを踏まえても、個人のありたい姿をデザインすることはとっても大事なのです。

 

人事評価はもういらない 成果主義人事の限界

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自分のありたい姿は、自分で作ってしまおう

片方のわらじとして、ゆるーく始めたキャリアコンサルティング。かれこれ、40名近くの方とお会いしてきました。

よく話題にのぼるのが、「自分のありたい姿」ってなんだろう?という問い。

簡単そうで難しいこの問いに対する端的な答えは、自分の感情が高ぶるものを軸に、ひたすら想像(空想)すること、だと私は思ってます。

 

そもそも、ありたい姿って必要なのか?

・・・必要です!これがあると加速度的に成長スピードが早まります。

それを裏付ける理論として、「ニューロ・ロジカル・レベル」があります。

自己認識(=自分って何者)は、その人の行動や身につく能力、環境の選択を左右します。(逆に、身を置いた環境が行動や能力、自己認識に影響を与えることもあります)

例えば、「自分は人に影響を与えられる人間だ」という自己認識をすると、人に影響を与えられるような知識をつけ、プレゼンテーション力を磨こう、とか、人の前に出る仕事を積極的に受けようと思うはずです。

これが、加速度的に成長スピードが早まるロジックです。

 

 

ありたい姿は、想像で作る

最近、「サピエンス全史」が話題ですね。

あの本の言う通り、社会的なシステムは、社会秩序を強固にするために勝手に作り上げられたものです。

例えば、紙幣なんてただの紙なのに、みんなが価値あるものだと信じ込んでいます。

 

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

 

 

 

社会の目や慣習、自分自身への固定概念・・・これがよくありたい姿を描く上での制約になります。

上述した話を逆手にとれば、ありたい姿は想像すればいかようにも作れるということ。

まずは、身の回りの制約に気づき、一旦とってみることが大事です。